大野 義幸 (おおの よしゆき)さん
有限会社羽後大一興業
代表取締役
勤続年数:18年
大野さんに聞いてみました!
■『こども達にみせたい未来を創る』という言葉がホームページにありました。このような考え方に至った経緯を教えてください
私が社会に出た頃は、バブル崩壊後で不況の時代でした。就職氷河期と言われる時期も重なり地元就職したくても就職先がないため、しかたなく地域を出る人も多くいました。
地域には仕事もない、遊ぶ場所もないという声を聞く機会も多く、同級生と食事をしたときでも「都市部に出た方が良かった」など、前向きな話が少ないと感じ悶々と過ごしていました。社会にプラスな気持ちを持つことが出来なかった時代背景もありましたが、子どもたちが大人になるにあたりそのような考えをもってほしくない「地元にも楽しい会社がある」「こんな良い仕事がある」と思える社会でありたいという自分の気持ちに気づき、子どもの未来のために何かしたい、そのような社会をつくることに少しでも貢献したいという考えに至りました。
■『自分の子どもたちの世代に必要とされ、その時代に役立つ企業でありたい』というメッセージもありましたがこの点について詳しく教えてください
若い頃は世界観や価値観の幅が狭く「自分の方が正しい」「言われなくても分かっている」など、大人の意見に反感を抱くことがありました。ですが歳を重ねるごとに、掛けていただいた言葉や教わったことを表面上ではなく、心の奥まで感じれるようになっていきました。考える余裕が出来たということもありますが、振り返ってみると誰も私の事を陥れようと思っていたわけではなく、自分のためを思ってくださっていたと感じています。それを恩と思うこともあり、このメッセージにつながっています。
■『Green energy for the future』というモットーを会社が掲げている理由はなぜでしょう
このモットーは、ペレットマンの屋号を掲げる仲間が共有して持つ考え方です。
訳すと「木質燃料 未来のために」となります。木材を燃料とする場合、地元の木を燃料とすることが出来ますから、地域でエネルギーや経済も循環する考え方です。資源循環できる木質エネルギーは様々種類のあるエネルギーの一つですが、活用することで地域や子ども達の未来につながると考えています。
■『ここに住む人々の暮らしを支える』という会社のモットーをどのように実現していきたいですか
まず、会社が自立すること。会社が周りに迷惑をかけず成り立つことが社会貢献につながると思います。社員を継続雇用できる会社であり、楽しんで仕事が出来る環境を作ることが大切だと考えています。会社が請け負う公共工事をおこなうことで暮らしを支えることつながりますし、今は町から、課題の解決方法などについてご相談いただけることもあり、解決につながる取り組みをおこなうことが社会貢献となり暮らしを支えることにつながりますから、今後も積極的に取り組みたいです。
■経営理念をどのように社内へ伝えていますか
経営理念を社内に浸透していくことはとても難しいと感じています。会社の考え方の基準となる部分ですから「良い仕事をするにあたり省略しても良い部分かどうか」「ここは各々のスキルを上げるためにかけても良い時間かどうか」など、個々が判断する為の指針や判断に迷った際の材料にしてほしいと伝えながら理念共有しています。
■働くことを通して社員に得て欲しいことは何ですか
社員を会社に縛り付けるという考えを持っていませんので、当社を辞めて独立しても食べていけるスキルを身に着けてほしいです。副業して別の収入を得るという意欲があれば相談して挑戦してほしいですし、そういった関わりから情報や知識も得てほしいです。
そのようなことができる会社であるよう、社員同士が生活することの意義を話し合える人間関係を築き、仲良く働ける環境を一緒に作りたいです。今後は、成果主義にしたいと考えていますし、定時に縛られず働けるような組織を目指しています。
■雇用される際、一番重要視される点は何ですか
今後は面接で「今までで一番苦労した経験は何か」を聞くと決めています。スポーツ、勉強、アルバイトなど、自分が一番苦労したことをどのように乗り越えたかをお聞きしたいです。そのような経験がある人と無い人では、社会に出てからも、取り組み方やモチベーション維持の仕方が違う印象をもっていますから、経験談を聞くことで人柄を知りたいです。
やり切った経験があると様々な事に挑戦する意欲もあるでしょうし、わたし自身の考え方も理解していただけると思っています。
■今後の目標や大切にしている考え方について教えてください
建設業に抱かれる、3K(きつい、汚い、危険)や低賃金といった世の中のイメージを変えていきたいです。当社では、このようなイメージ改善のため、ユニフォームにカッコよさを取り入れたり、ホームページにこだわったり、グランピングサービスなど建設業に捉われない事業展開など、若者が働きたいと思う環境づくりに取り組んでいます。
また、女性が働きやすい環境作りにも取り組みたいです。実際の現場仕事では汗を流し時には泥にまみれる場合もありますから、そのままの服装で帰宅しないですむようロッカールームやシャワールームの整備も現在検討しています。あの会社の制服はカッコいい、今までと違うイメージだと思っていただき、自社から業界のイメージを変えていきたいです。
経営者としては、後継者が育つ会社にしたいです。わたしの退職後も会社が順調であれるよう、社長になりたい考えも持つ若い人材を育てたいですし、そのような考えが育まれる魅力的な会社でありたいです。
わたしも社員もまだまだ発展途上ですので伸びしろがありますから失敗を恐れずチャレンジしていきたいです。
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取材:ヴァスケズ ディラン 亮太
取材日:2021.08.05
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