top of page

所長の部屋『ゲスト:鈴木 アヒナ 麻由さん』


第10回目のゲストは、


鈴木 アヒナ 麻由さん

秋田県湯沢市市出身


鈴木さん(以下、敬称略)は大学卒業後、単身ハワイに渡り、マッサージ、コスメティック、セラピストの資格を取得し、モアナサーフライダー ウェスティンリゾート&スパへ就職。帰国は、家業の株式会社鈴木又五郎商店に勤務されています。


今回は研究員の井澤晴香(都内の高校に通う2年生(NPO法人みらいの学校のインターン生)と一緒にインタビューしました。


ー----------------------------------------


所長)鈴木さんは湯沢市出身ということですので市内の中学・高校に通われていたということですか。


鈴木)そうです、中学は湯沢南中学校(湯沢市立湯沢南中学校)を、高校は菅元総理大臣と同じ湯沢高校(秋田県立湯沢高等学校)を卒業しました。


所長)大学はどちらに進学されましたか。


鈴木)日本舞踊を習っていましたので、神奈川県にお住いの名取に教わりたいと考えていたたこともあり上京を志望していました。大学は東海大学の体育学部スポーツレジャーマネジメント学科に進学しました。スポーツ選手のセカンドライフやスポーツチームのイベントのマネジメントなどを勉強し、在学中に一年休学しヨーロッパに留学もしました。

在学中は、様々なインターンをしていましたが、とある会社でインターンしていたとき、忙しさから体調を崩してしてしまうことがあり「東京では働けないかも」と感じることもありました。


所長)地方出身者あるあるですね…


鈴木)まさにそれですね(笑)

「いつ寝るんだろう」と思いました。


所長)生活リズムが圧倒的に違いますので、バランスを崩される方もいらっしゃいますね…

ファーストキャリアはどちらでどのような職に就かれましたか。


鈴木)大学卒業後、直ぐハワイへ行き、マッサージ、コスメティック、セラピストの資格を取得し、ハワイのウェスティンホテルに就職しました。


所長)ハワイに行こうと思われたきっかけは何でしたか。


鈴木)やはり、学生時代の留学経験が大きかったです。留学中はイギリスの語学学校に通う傍ら、ボーンマスという南の港町でシニアリタイアメントのボランティアをしていました。

ボーンマスは、リタイア後の方が多くお住いになっている地域で、その方たちが暮らす施設の中でエンターテインメントをマネジメントや、シニアケアの手伝いをしていました。そこでは、ホメオパシー医療の考え方が根付いており、薬を使わない療法やアロマセラピーなどがポピュラーで、ベーシックな考え方とされており「そういう形の医療もあるんだ」と驚きました。そこから色々調べていく中で、ハワイのロミロミマッサージに出会い「本場のハワイに行き、薬を使わない療法を勉強したい」と思ったのがきっかけです。


所長)そのようなきっかけがあったんですね。日本にお戻りになられたのはおいくつのときですか。


鈴木)27歳でした。


所長)日本に戻られる時期を決めてハワイへ行かれたのですか。戻られる経緯やその時の心境があればお聞かせいただけますか。


鈴木)日本に戻る目処を立ててはいませんでした。

ホテルのトップセラピストとして勤めていましたし、その期間にホテルがハワイで一番ホテルのスパに選ばれるといった出来事もあり充実した日々をすごしていました。そのような中、ラスベガスのスパを視察する機会があり、ハワイとあまりに違うレベルの高さに驚がくし「アメリカで一番になるにはまだまだ道のりが遠い」と少し挫折感を感じました。その後「地元の秋田ならば何かで一番になれるのではないか」と考え、鶏口牛後※という言葉に習い、秋田に戻ってきました。

※鶏口牛後「けいこうぎゅうご」:大規模な組織の末端よりも小規模な組織で地位を確立するほうがよいという意味


所長)鶏口牛後ですか。確かに座右の銘にされる方もおられる考え方ですし、上手く切り替えられたということですね。

戻られてからは実家の家業に入られたということですか。


鈴木)はい、そうです。家業の鈴木又五郎商店で働き始めました。



井澤)今、お話しいただいた海外での仕事や生活について、わたしからも少し質問させてください。

海外での仕事や生活で得られたこと、その経験から今につながっていることを教えてください。


鈴木)海外に限ったことではないですが、ホテルはホスピタリティを一番に考える業種ですから、お客さまや取引先の要望にできる限り全力で答える習慣がつきました。また、セラピストとして働いていたときに、美容意識や健康意識の高い方に多く出会い、食事に意識を向けることが圧倒的な健康の要ということを知り、マクロビオティック※などを勉強しました。

※穀物や野菜、海藻などを中心とする日本の伝統食をベースとした食事を摂ることにより、自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現する考え方(株式会社 CHAYA マクロビフーズ ホームページより)。


井澤)セラピストとしてのご経験が、HAPARICEなどを開発されるベースとなっておられるのですね。


鈴木)そうです。

世界的にも美容や健康への意識の高い人はとても多く、やはり食事に気をつかうのは基本中の基本で、特に腸を元気にする”腸活”などが健康の圧倒的要であることも学びました。ですが、体に良いものを取り入れようとすると、商品価格が高く、金銭的に大変な面もあります。

日本に戻ってきた時、ハワイで普通に食べていた玄米と比べ あきたこまちの玄米がとても美味しいことに気づき「これなら続けやすいのではないか」と思いました。その後、あきたこまちの玄米を使用して、大好きな秋田の健康寿命を延ばしたいと考えるようになり、HAPARICEを開発して販売を開始しました。


井澤)HAPARICEの開発にはそのような経緯があったのですね。

では次に、働き方の価値観についての質問ですが、海外と日本で違いを感じることはありましたか。


鈴木)ありましたね。日本は一日8時間と決まった時間で働く意識が普通で、当時のわたしもその感覚でした。ハワイの人たちの働き方は、フルタイムで働く人が少なく、例えば5時間働いて稼ぎ、それ以外の時間は自分の好きな時間に使う、朝はサーフィンをして午後から働いて夜は友達と遊ぶといった働き方をされる人も多いことに驚きました。

それでも生活は成り立っていたので、日本人の働き方は少しもったいないと感じることもありました。そこから何のために働くのかを考えるようになりました。


井澤)実は今、留学のため、ロンドンに滞在しており、平日のお昼でもお酒を飲んでいる人を見て、海外と日本は働き方が違うと思い質問させていただきました。


鈴木)イギリスではビールを1杯飲んでも車を運転できる環境もありますからね。


井澤)そうなのですね。知らなかったです(笑)

次は、現在の仕事に就く前とついてからの仕事のイメージの変化や新たに気付いた良さ、楽しさ、魅力などを教えていただけますか。


鈴木)家業は、卸問屋業ということもあり、モノを仕入れて売る、物流をこなす単純な仕事だと思っていました。ですが、実際に働いてみるとイメージとは全く違っていました。特に農家さんとのやりとりはとても難しく、売買や価格など業界柄、私情を挟むこともあり、口約束などの曖昧な部分もあって驚きました。今はイメージも反転し単純作業で機械的な仕事ではないことも理解しましたし、この業界柄ならではの人と人とのつながりや付き合い方を大切にする方が楽しいのではないかと思うようになりました。


井澤)そのようなイメージとのギャップがあったのですね。今のお話の中で、人と人とのつながりを大切にされているということでしたが、現在取り組まれている仕事の中で一番大切されている考え方や意識などがあれば教えていただけますか。


鈴木)やはり根本にある”玄米を通して健康的な食生活を広めたい”という想いがあるので、その軸からブレないように仕事を選んでいます。


井澤)ありがとうございます。わたしはホームページで拝見した、HAPARICEやアキタコマチ玄米パンケーキミックスを見させていただいて、日本に戻った際に購入したいと思っていました。

次に、子育てされながらの仕事だと思いますが、プライベートと仕事の両立の楽しさや難しさを教えてください。


鈴木)家業に入っているということや、やりたいことと仕事で取り組んでいることが合致しているので、仕事の難しさや大変さもポジティブに捉え、楽しみながら向き合えています。


所長)仕事がライフワークのひとつになっているということですね。


鈴木)そうですね、仕事とプライベートを一体的に捉えている部分もあります。

子どもと一緒にイベント出店することや「商談の場に連れて行っていいですか」と相手にお願いして子ども同席で商談することもあります。子どもがいることをハンデにしない働き方が今は出来ていると思っています。


井澤)今のお話では、仕事の大変さもポジティブに捉えられておられるようでしたが、その中でも困難な局面にぶつかったとき、どのように乗り越えられていますか。


鈴木)目新しいことに取り組んでいるので、良くも悪くも様々な意見を聞くことはありますが、自分がどう見られているかはあまり考えないようにしています。もちろん誤った部分は修正していますが、話題になることは注目されていると、そこもポジティブに振り切って考えています。


井澤)わたしは友達や親の意見を気にするタイプですが、お話を聞いて自分の考え方も大切にしなければならないと気づくことができました。

目新しいことには様々な意見があるとお話されていましたが、商品開発の楽しさや難しさを教えてください。


鈴木)ゼロから作り出すことは、とても難しいことですので、参考になる事例を探すこと。その事例を参考にして取り込むことを心掛けています。調べる段階では、日本を問わず様々な地域から新しいモノを発見することがあります。それを自分が「いいな」と思ったら参考とする。この作業はとても楽しいです。他地域でも人気があれば、工夫次第で自地域でも人気が出る可能性もあり、自信や根拠のひとつになります。気を付けていることは、全く新しいものを特許取得するなどしてゼロから作るまでの冒険はしないといったことです。


所長)0→1の商品開発は研究などに多くの費用がかかるリスクもありますからね。

HAPARICEやアキタコマチ玄米パンケーキミックスは国内で類似商品はあるのでしょうか。


鈴木)グルテンフリーで玄米を使用したパンケーキミックスは数社から発売されています。当社の商品は、日本よりも業界的に進んでいるアメリカの商品を参考に試作を重ね、類似商品よりも高いクオリティを目指して商品化しました。


井澤)日本ではトップクオリティの商品なのですね。購入意欲が更に高まりました。

では次に、ハワイでセラピストの資格を取られたり、商品開発に多くの試作を重ねられたりと、強い行動力が感じられたのですが、その原動力はどのようなものでしょうか。


鈴木)秋田に限らず今は食が多様化して米の需要がとても減少しています。当社の商品や活動を通して、玄米は太りにくいことや、スーパーフードのように値段は高くないけど栄養価が高いという気づきを与えたい。健康的な生活を広めたい。このような自分のベースが原動力になっていると思います。


所長)食への意識や捉え方は健康的な身体を目指す上で重要ですからね。


井澤)秋田県民の健康意識を高めたいといった想いから、仕事やプライベートなどで今後目標にしていることを教えてください。



鈴木)「秋田でわたしを知らない人はいない」というほど米を販売したい。そして50歳でアーリーリタイア※することを目標のひとつとしています。

※会社などメインの仕事から早期に退職すること


井澤)では最後の質問です。わたしのような大学進学前の学生や就職を控えた学生に学生時代に経験しておいた方が良いことなど、アドバイスをいただけますか。


鈴木)色んな人と深く付き合ってみることをおすすめします。

井澤さんは今イギリスに留学中でしたね、


井澤)はい、この夏から1年間の予定です。


鈴木)ロンドンには様々な国籍の人がいると思います。国や文化、宗教がことなると物事の考え方や価値観が違いますが、単にクラスメイトとして過ごすだけでは、自分の価値観との違いがわからないと思いますので、その人の考え方や哲学など根本的にどう考えてるかを知るためにお付き合いしてみたり親友になったりしてみてください。わたし自身、このような経験をしたことで価値観を広げることができました。

違いを知ることで、より分かり合える感覚が得られると思います。


井澤)こちらで通う学校は、生徒が50ヶ国から集まっているのでとても参考になりました。ありがとうございます。


所長)日本でも閉鎖的な地域や自分の暮らす地域とは文化が違う地域、都市部と地方、世代によっても価値観の違いがあると思います。多様な価値観や考え方に触れることはとても大切ですよね。国籍の違う人と付き合ってみるということなどは面白いと思います。

鈴木さんのご経験からの言葉でとても響きました。

本日は参考になるお話をありがとうございました


取材日:2022.08.04

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


鈴木さんの家業や取り組みについては、以下から確認できます。


株式会社鈴木又五郎商店

ホームページ:https://kanemata-suzuki.com/

オンラインショップ:https://kanemata.shop-pro.jp/

閲覧数:164回0件のコメント

関連記事

すべて表示
bottom of page