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所長の部屋「ゲスト:小崎嘉純さん」第2話

第13回目のゲストは、


小崎嘉純(こさき かすみ)さん


小崎さん(以下、敬称略)は、秋田県湯沢市のご出身。専門学校卒業後、お菓子やパンを販売する店舗にて製造に携わっておられました。現在は地元湯沢市の絵どうろうまつりの絵どうろうの作成や絵どうろうを身近に感じてもらうための体験事業にも取り組んでおられます。

地元を愛する気持ちや事業に取り組む楽しさや難しさなどについてお話を伺いした第2話となります。


第1話をまだお読みでない方はコチラから


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東谷)文化財登録のお話があったと思うのですが、これまでの活動を踏まえ「今後はこうしていきたい」という5年後や10年後の目標はありますか。


小崎)今夏、七夕絵どうろうまつりは3年ぶりに通常開催されたのですが、コロナ前、コロナ禍でも絵付け体験をおこなっていたことから、七夕まつり実行委員会の方から「今回の絵どうろうまつりでは商工会議所の会議室で絵付け体験をしていただきたい」とお声がけいただけました。

これまでも、個人的にロビーをお借りして実施していましたが、できることを少しずつ増やしてきた結果を得られました。場所(空間)を提供いただき、その時間を作ることが出来たことで念願の三間が得られ、ようやくスッテプ1をクリアしたと感じられる出来事でした。

次はスッテプ2です。「湯沢を世界に発信するために必要なことがしたい!」と思っています。文化財登録に向けた情報収集、情報発信です。秋田の竿燈と並ぶ『湯沢の七夕』とするため、文化財登録にあたる資料を集めたり調べたりしています。自分一人ではできないことですから、市役所の方も巻き込んでいくいことが今の課題です。去年、秋田県庁から「湯沢の三大まつりを文化財登録に向けて活動してきたい」というお話が湯沢市にあり、保存会や活性化協会にもそのお話が届いているので、上手く進めていきたいです。


所長)ステップは進みつつあるということですね。


小崎)そうですね。自分の活動を周りに合わせて進めていく必要もありますし、わたし一人が燃えるのではなく、周りにも火をつけていくことも大切ですから先を見ながら進めていきたいです。

第2ステップは時間がかかると思いますが、わたしにできることはまず写真展の活動を続けることや情報収集や情報発信だと思っているのでそれを続けていきたいです。


東谷)頑張ってください。


小崎)実は今、観光物産協会の方から、東京で開催するイベント※に写真展の資料を提供してほしいという話もいただいているので、乗れるところにはお願いもして進めたいです。わたしの届く範囲である湯沢市の中で、もっと存在を知ってもらうことができないと何も始まらないので、誰かがやりたいと言っていること、周りから来てくれることに対してお願いしますという気持ちで広げていきたいです。

※東京で開催されたイベントは、現在は終了しています。


東谷)人脈やつながりがとても大事だということですね。


小崎)宝だと思います、わたしはお金よりも大事だと思っています。


東谷)活動していくにあたり良い方向へ進めていくために心掛けていることはありますか。


小崎)自分一人で考えても分からないことを「教えてください」と尋ねることを意識しています。

例えば、目的地に行きたいけど道がわからないから人に聞く。けど見知らぬ人に声をかけたり、わからないことを聞くことが恥ずかしかったりすることありますよね。このシーンで恐れずに聞くことと同じ感覚で、まずわからないことに対して周りを意識せず聞くこと。聞いたら自分で行動する。手段は自分で選んでいくことを意識しています。どういう人がどのような情報を持っているかわからないですが、その人がわからなければ「わたしの知り合いでこういう人がいるよ」と紹介していただける場合もありますので、まずは人に聞くこと。そして聞いたことを自分で確かめるために行動を起こす。行動して上手くいかなければ、更に相談して行動の繰り返しです。大事なことは「人に頼ってもいいけれど人任せにしてはいけない」ということです。自分でやりたいと思ったことならば最後まで自分でやり通す意識が大切です。


東谷)子どもの頃の原体験がきっかけで現在の活動をされているということですが、原体験をする当時に戻れるとすれば、自分にどんなアドバイスをしますか。


小崎)「母さんの言うこと聞いた方がいいよ」と声をかけます。(笑)

子どもの頃から「こうやってみたら」と母が話してくれた言葉のおかげで実現できていることに「そういえばあの時、言われたことを今やっているな」と感じることが多いです。言われたその時は「うるさいな」「そんなこと言われなくても…」と感じていましたが、結果的にその通りになり、母はすごいと思います。

「後悔しないように生きる」とは考えておらず、後悔をすればするほど「成長の糧になるのでラッキーだ」と思うようにしています。ですから「全然、迷わなくていいよ。迷ってもいいけど自分らしく生きな」とアドバイスしたいです。

5年後のわたしが「深く考えすぎずに、思ったら即行動してダメだったらまた別のことをして、次に進もう」と、今のわたしに言葉をかけているのだと思います。

なので、東谷さんもお母さんの言うことは聞いたほうがいいですよ(笑)


東谷)はい、そうします(笑)

お話から行動力が凄いなと感じるのですが、新しいことに挑戦することや行動力のモチベーションは何ですか。


小崎)モチベーションですか…

疑問に思うことです。「あれっ!これって何だろう」と思ったときに解決できないとモヤッとしますし、自分の中で答えが出ていないままだと後悔が残ります。疑問に思ったことを調べて「なるほど、そういうことか!」の繰り返しをより早くするってこと。例えば、知らない言葉があればメモをとり後ほど調べ理解するというように、知らないことを理解したり、調べる行動をしたりが楽しさにつながっています。


所長)興味、関心、好奇心みたいなことですか。


小崎)そうです。口癖はオリンピック選手をみて「自分もやってみたい」です(笑)

「鉄棒をぐるぐる回ってみたいな」と、自分事として考えたり捉えたりしていくことが一番だと思います。


所長)自分事として考えることや行動から生まれるつながりなどもモチベーションになっているということですか。


小崎)はい。行動すると「できなかった」「できた」という結果が出るのですが、どちらにしても行動したことが自分の糧となるので、行動を移すために疑問を持つことが一番です。


東谷)ありがとうございます。

好奇心が大事ということですね。

小崎さんは絵どうろうの普及もひとつの目標にされていると思いますが、将来的に絵付け師になりたいと考えているのですか。


小崎)わたしは素敵な美人画を描きたいと思い講習会に挑んでいたわけではなく、原点はあくまでスラムダンクの桜木花道です。自分の好きな絵を絵どうろうで表現できることに一番の幸せを感じますので、美人画の絵どうろうだけの魅力にとらわれない人たちを集めたいと思い活動しています。


所長)絵どうろうまつりに飾られる作品の中でも、日本画だけでなく現代的なイラスト作品も数多く見かけますものね。


小崎)わたしは美人画が苦手でアニメ画を中心に描いていますから「こういう作品があってもいいんだよ」という場所を作りたいです。

絵どうろうまつりに関わる企業さんの中には、美人画ではない絵を希望する声も意外とあります。絵師の先生のように日本画が得意な人もいれば、違うタッチの絵を描く方もたくさんいますので、アキスターとしては絵どうろうを「描く」という活動だけではなく、描きたい絵がある絵師とその絵がほしいという企業をマッチングしたいです。

  

所長)そこをマッチングできると素敵ですね。


小崎)今、模索している最中です!

このミニ絵どうろうはわたしが描いたイラストです。可愛いと美人の境目がわからずイラスト系に偏りがちです。(笑)

でも、これはこれで子ども受けが良いですし、個人的には自分の好きなアニメキャラクターなどを描いて、自分だけの世界で一つのミニ絵灯ろうとして楽しんでもらいたいです。まずステップ1の体験型事業としては、ようやくですが軌道に乗ってきました。


東谷)ミニ絵灯ろう、素敵です。

最後に、やりたいことや目標がない学生や若者に向けて、それを見つけるヒントやアドバイスをいただけますか。


小崎)その状況は、わたしがemishiに参加したときと同じで「やりたいことがわからない」「自分に何が出来るかわからない」ときは自己分析して自分の棚卸しをしてみることです。それを通して自分の興味関心、今の自分にできること、今後自分が実現したいことなどが少しずつ見えてきます。頭の中で考えるだけでなく紙に書き出し可視化してみてください。

「何がしたいのかわからない」「何をしてもつまらない」という状況は、今現在の自分でもあります。子どもの頃に楽しかった記憶など書き出して「それを今の自分がやればどうなるか」を考えてみると、自分の知らなかった世界に進むチャンスもあると思います。

また、人から聞いたこと、目に入ったものでもいいので、興味がわけば「すぐに行動してみる」というのこと。行動から得られた経験はきっとかけがえのない財産になると思います。


所長)東谷さんも、就職活動前は自己分析しましたか。


東谷)はい。幼少期から振り返って人生のターニングポイントや、その時々の気分の浮き沈みを考えました。


小崎)わたしも幼少期から振り返ったことがあるのですが、一番良かったポイントは“生まれた時”でした。(笑)生命をいただけたことにまず感謝して、生きるための食事ができる、五体満足で生きていられることが一番の幸せだと考えています。


所長)素晴らしい考え方ですね。


小崎)わたしにもそういう考えがあるということで(笑)

やはり、ワンパターンではなくて見方や視点を変えてみると面白いので、人の話を聞くことで新しい価値観に気が付く人もいると思います。


東谷)今日のお話は、わたしにとって新しい視点が得られました。ありがとうございます。


所長)では、今日の感想とお礼を言って終わりましょう。


東谷)本日は絵どうろうの普及に関するお話を聞けるといいなと思っていたのですが、それ以外にも普段は耳にすることができないような文化財登録であったり起業セミナーであったりさまざまなお話を聞くことができましたので、今後の自分の生き方や人生の参考にさせていただきたいと思いました。



小崎)コロナ禍でオンラインが普及して遠隔地で暮らす人のお話が聞ける環境が生まれています。わたしの学生時代にはこのような環境は整っていなかったので、このような機会を通して若い間に選択肢が増やせることはとてもいいなと思いました。

社会で働いていくと辛いこともあります。長い目でみると、それもいい人生だったと言えるようになるので、これから出会う人たちには言葉にしなくてもいいけど「大事な人たちだ。宝だ」と心の隅に置くようにしたほうがいいと思います。


東谷)勉強になります、ありがとうございました。


所長)本日はありがとうございました。



取材日:2022.09.01

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小崎嘉純さん、お忙しいところ取材対応いただきありがとうございました。



小崎さんの活動については以下からご覧いただけます。


アキスター体験型事業


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